ウズベキスタン旅行記

タシケント編 A

  朝は大忙し

 10時には空港に着かなければならないので、少しでもタシケントを見るために、早起きして散歩に行く。昨日通ったブロードウェイを歩き、今朝は更にその先まで足を延ばす。昨夜は暗くて建物や道路の様子などはよくわからなかったが、改めて見てみると交通量のほとんどない裏通りも異様に広く、その辺りにもソヴィエトを感じることができる。少し行くと、大勢の人が壁の下に消えていくのが見えた。

 近くに行くと、そこは地下鉄の駅だったが、駅名がウズベク語で書かれているので、何駅かはわからない。元々、タシケント滞在に余裕があったら、地下鉄に乗ってみたいと思っていたが、スケジュールの都合であきらめていた。しかし、鉄道ファンを自称する自分にとって、駅を目の前にして乗ってみたいという欲求を抑えられるわけも無く、人の列にまじり地下へ。窓口の読めないウズベク語の説明に目を通すと、90スムと書いてあったので、100スム札を渡したら、専用のコイン(ジェトンという)とおつりをくれた。ワクワクしながらホームに降りると豪華さにびっくり、壁も柱も大理石だ。どうせ行き先なんか無いので先に来た電車に乗った。乗車マナーは最悪で、ドアが開いた瞬間、降りる人にお構いなく乗り込む。車両の中はウズベク系、ロシア系、朝鮮系・・さまざまな人たちがごちゃまぜになっていて、ウズベキスタンの民族構成の縮図のようでおもしろい。車内のアナウンスはウズベク語で、多少のロシア語を知っていても全く意味が無いが、行き先の無い自分にとってはどうでもいいことだった。2駅だけ乗り、反対の電車でもとの駅に戻り、もとの出口から出た。地下鉄乗車を果たした充実感でいっぱいになりながらホテルへ帰る。

  空港は遠い

 チェックアウトした時には、8:30を過ぎていたが、ガイド本には空港まで約6Kmと書いてあり、歩いても10時には着くかな、と思い歩いていくことに。昨日はホテルまで送迎車だったので、空港までの道は全くわからず、交差点のたびに空港はどっちかと聞きながら歩いた。そして、1時間歩いたが全然着きそうな気配を感じない。この辺で、空港まで6Kmはあくまでも直線距離だという当たり前のことに気が付く。このまま歩いていると間に合いそうも無いので、タクシーで行こうと決意。しかし、タシケント市は白タク天国なので、外見では見分けがつかない。仕方なく何かの本で読んだヒッチハイク法を実践。走ってくる車に対して背を向け、足元横を指差しながらひたすら歩く、というもの。すると、始めてから1分もしないうちいに、オンボロのセダンが俺に横付けした。窓から顔を出したおじさんに、空港までいくらで行ってくれるか聞いたら、少しでいいよ、のポーズ。頼らないと間に合わないので乗ることに。空港までは5分くらいで着き、1ドル渡そうとしたらクォーターでいいと言われたが、それ以下のお金が無いので1ドル渡して降りた。結局10時ちょうどに着いた。

  ロシア女性といえば

 搭乗受付に行ったら、サマルカンド行きの手続きは30分後と言われたので、気持ちに余裕が出てきた。空港内にウズベキスタン航空のオフィスがあればリコンファームを済ませたいと思い、国際線ビルへ行く。入り口の職員に聞くと、2階にあるウズベキスタン航空のチケット売り場に案内された。航空券を見せ、リコンファームしたいとお願いしたらロシア語(ウズベク語)でなにか聞かれたが、何を聞かれているのか、わからない。お互いに困っていると、窓口の女の子は、奥の部屋にいる英語のできるひとを大声で呼んだ。ナターシャ、ナターシャ!!・・・そう、ロシア人女性といえばナターシャである。俺のイメージするロシア女性はみんなナターシャなので、どんなかたが出てくるのか、ドキドキしていた。待つこと数秒、出てきた女の子はまぎれもなくナターシャ度満点だったが、結局帰りは10月14日でいいのか聞かれただけだった。窓口にいた女の子がコンピューターを操作するが、首を傾げるばかりなので、不安が襲ってくる。実はリコファの期限は前の日に切れていたからである。何度やってもうまくいかないらしい。そこでまた、ナターシャの出番である。ちょっとかして、と言わんばかりに横からキーボードを叩く。すると、一発で回答画面に切り替わり、プリンターが作動する。やはりナターシャは俺が見込んだ通りのデキる女だ。チケットに確認のスタンプが押され、予定日にちゃんと日本に帰れる安心を手に入れた。


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